AIコンサル12分

AI導入 何から始める?業務棚卸しで42%の無駄が発覚した実施手順

RA

立川 慶弥

代表 立川 慶弥 監修 | 株式会社リバイバルアジア

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「忙しすぎて手が回らない」。

相談をいただくとき、入り口はいつもここからです。

で、「じゃあ何に時間かかってます?」と聞くと、

みなさん意外と答えられない。

毎日バタバタしてるのに、何に時間が消えてるのか見えていない。

この状態でツールだけ足しても、忙しいままです。

だから僕は、AIの話をする前に「業務棚卸し」をやってもらっています。

自分が何に何時間使っているか、全部書き出す。

地味な作業ですけど、これをやるかやらないかで、その後が全然違います。

実際に関東圏のある会社(従業員約20名・サービス業)でやってみたら、

社長の業務の42%が「社長じゃなくてもいい仕事」でした。

今日はその手順と結果を全部お見せします。守秘義務があるので社名は伏せています。

この記事でわかること

  • 業務棚卸しって具体的に何をやるのか(3ステップ)
  • 実際の会社でやった結果(52項目の仕分け表つき)
  • 棚卸し後に「どこにAIを入れるか」が見えてくる話
  • 自社でやるときのチェックリスト

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そもそもなんで棚卸しが先なのか

AI導入で上手くいかなかった会社を見てると、パターンがあります。

よくある話何が起きてたか
ツール入れたけど誰も使ってない現場の仕事を見ずに選んだ
効果があったのかわからない入れる前の数字を取ってなかった
社長がまだ忙しいツール足しただけで、仕事の渡し先を決めてなかった
お金だけかかった全部いっぺんにやろうとした

共通してるのは、「今、何がどうなってるか」を把握してないまま始めてること。

登山で言えば、地図を見ないで歩き出してるようなもので、装備がどんなに良くても方向が違ったら着きません。

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やったこと:ある会社の場合

ここからは実際にやった話です。

その会社の状況

  • サービス業(法人向け)、関東圏
  • 従業員約20名
  • 社長の悩み:「営業に出たいのに、雑務で1日終わる」

最初は「AIで何かできませんか」という相談でした。

でも話を聞いていくうちに、社長自身が自分の時間の使い方をわかっていないことに気づいたんですよね。「なんか忙しい」「気づいたら夕方」って。

これ、けっこう多いです。

なので、ツールの話はいったんやめて、棚卸しから始めることにしました。

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ステップ1:全部書き出して仕分ける

やったこと

社長に90分ヒアリングして、幹部2名にも個別に60分ずつ聞きました。

あと社長に1週間だけ業務日誌をつけてもらいました。

それを全部まとめて、52項目のリストにしたのがこれです。

仕分けのルール

意味
社長がやるべき
渡せなくはない
早めに渡した方がいい
×社長がやる意味がない

結果

カテゴリ項目数×
営業・顧客対応93123
人材管理・採用103142
財務・経理105122
社内マネジメント105221
対外活動73310
雑務62103
合計522191111

△と×を足すと22項目。全体の42%です。

社長の時間の4割以上が、社長じゃなくてもできる仕事に使われてた。

数字で見るとけっこうインパクトありますよね。

営業カテゴリだけ見せます

#業務なぜその判定か
1新規の商談社長の顔が必要
2既存客の定期訪問幹部でもいける
3大口のトラブル対応最終判断は社長
4一般的な問い合わせ幹部で十分
5見積書づくりテンプレ化すれば幹部でできる
6定期レポート作成×定型業務
7メール・SNSの日常対応×担当者に任せるべき
8契約更新の交渉社長の承認が要る
9営業リスト作り・架電×営業担当の仕事

営業だけで×が3つ。社長が営業リスト作ったりレポート書いたりしてた。

AIの前に、渡す相手を決める方が先だなと。

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ステップ2:誰に渡すか決める

△と×の22項目について、渡し先と時期を決めました。

渡し先何をいつ
幹部(営業寄り)クレーム初動、交渉、現場調整すぐ
幹部(管理寄り)勤怠、契約書、経理まわりすぐ
今後の営業担当テレアポ、既存フォロー採用後
今後のアシスタント備品、日程調整、請求書採用後
外注PC・ネットワーク障害すぐ

すぐやった10個

  1. 日程調整ツールを入れた → メールの往復がなくなった
  2. メール対応のルールを決めた → 社長CCの範囲を絞った
  3. 見積書のテンプレを作った → 幹部が作って社長が確認するだけに
  4. 勤怠をクラウドにした → 紙の集計がなくなった
  5. クレーム対応のルールを書いた → 幹部が初動できるようになった
  6. 備品発注の権限を渡した → 月の上限だけ決めた
  7. ITサポートを外注した → 社長がPC修理係をやらなくなった
  8. 請求書をクラウドに移した → 経理に任せられるようになった
  9. 社員の相談窓口を幹部にした → 社長に直接来なくなった
  10. 幹部と週1で30分ミーティング → 渡した仕事の確認用

このうち1、3、4、8はAIやITツールが直接効くところです。

棚卸しした上で入れてるから、「なんで入れたか」がはっきりしてる。

ここが逆だと、ツールだけ増えて忙しさは変わらないんですよね。

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棚卸しを自社でもやってみたいけど「一人だとちょっと…」という方は、

まず無料AI診断(3分くらいです)で今の状態を見てみてください。

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ステップ3:幹部を巻き込む

棚卸し表を作っても、実行されなきゃ意味がないです。

で、実行できるかどうかは幹部が「自分ごと」として受け取ってくれるかにかかってます。

この会社では社長と幹部2人で会議をやりました。僕がファシリテーターです。

気をつけたこと

「社長がやりすぎ」とは言わない。

それを言ったら社長は責められてると感じます。

そうじゃなくて、「社長の時間をもっと売上に直結することに使うために、チームでどう分けるか」っていう話にしました。

言い方を変えるだけで、幹部の反応が全然違うんですよね。

「社長じゃないとダメな仕事」を3つだけ選んだ

◎の21項目をみんなで見て、「本当に社長じゃないとダメなもの」を3つに絞りました。

この会社の場合:

  1. 大口の新規商談
  2. 会社の方向性を決めること
  3. 銀行との交渉

この3つ以外は「みんなで分ける」と決めて、いつまでに誰が何を引き受けるか書き出して、月1で確認する仕組みも一緒に作りました。

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棚卸しすると「AIをどこに入れるか」が見えてくる

面白かったのは、棚卸しが終わったあとに「じゃあどこにAI入れようか」って話がすごくスムーズに進んだことです。

見つかった問題やったことどうなったか
日程調整のメールが多いCalendlyを入れた月5時間くらい減った
見積書を毎回手で作ってたテンプレ+クラウドツール作成時間が1/3に
勤怠が紙だったクラウド勤怠月末の集計が自動に
社員の相談が全部社長に来てたチャットボット+LINEよくある質問は自動で返せるように
クレーム判断が社長の頭の中だけマニュアル化+AI分類幹部が最初の対応をできるように

順番が大事で、棚卸しが先、ツールが後。

逆にすると「入れたけど何のため?」ってなります。

あと、棚卸しの過程でスタッフがすぐ辞めるって課題も出てきました。

これは別で入社後3ヶ月のフォローの仕組みを作って対応しています。

その話はまた別の記事で。

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自社でやるときのチェックリスト

準備

  • 社長の1週間の業務日誌をつける
  • 書き出すスプレッドシートを用意
  • ◎○△×の基準を先に決めておく
  • ヒアリング相手の予定を押さえる

やること

  • 社長ヒアリング(60〜90分)で全部洗い出す
  • 幹部にも聞いて、社長との認識のズレを確認
  • カテゴリ分け(5〜8つくらい)
  • ◎○△×をつける
  • △×の渡し先と時期を決める

続けること

  • 幹部会で共有する
  • 優先アクション5〜10個を決める
  • 月1で進捗を確認する仕組みを作る
  • 3ヶ月後にもう一回やる

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「一人でやるのはちょっとな…」って方は、

無料AI診断で自社の状態だけでも見てみてください。

10問、3分くらいで終わります。

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最後に

この会社で一番よかったのは、社長が「自分の時間の使い方」を数字で見れたことです。

「なんか忙しい」が

「52個のうち22個は自分じゃなくていいな」に変わった。

この解像度の違いが、その後の全部を変えました。

52項目じゃなくていいです。20個でも30個でもいいので、

自分がやってる仕事を書き出してみてください。

「これ、自分がやる必要ある?」って思えるものが何個出てくるか。

それが見えたら、AIをどこに入れるかも自然にわかるようになります。

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